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資格解説:技術士 総監部門の受験申込書の書き方 その1

そうだ、総監部門を受けよう!と思ったら

 技術士の一般部門に晴れて合格した方の中には、次のステップとして総監部門を目指す方も多いでしょう。ここでは、既に一般部門を合格した方向けに、総監部門の受験申込書の書き方を簡単にご紹介します。

*そもそも総監部門って何?と思われた方はググってください。

*一般部門に合格していない方は、総監部門のことは一切考えずに、まずは一般部門の合格を目指してください。総監部門と一般部門の併願受験という手もあるにはあるのですが、勉強時間的にもコスト的にも特にメリットはないと考えますので、個人的にはお勧めしません。

一般部門と総監部門、求められる能力は何が違う?

総監部門の受験申込書を作成する前に、前提として求めらている能力が何かを考えてみましょう。

一般部門の技術士に必要な能力

 建設部門なら建設の、機械部門なら機械の、電気部門なら電気の、それぞれ自分の得意分野の専門技術力を持ち合わせていることが、一般部門の技術士として認められることの第一歩です。ここでいう専門技術力とは、大学や大学院で学ぶような高度な科学技術に関する知識を持ち合わせて、その知識を生かして業務を遂行する能力のことです。

 一般部門でも確かにコミュニケーションやマネジメントが問われるのですが、最も重要なことは専門技術力です。したがって、一般部門の申込書では、”専門技術者として専門技術力を発揮したこと”を業務経歴としてアピールしなければなりません。

総監部門の技術士に必要な能力

 総監部門の試験は一般部門と違って、専門技術力の有無を問う試験ではありません。総監部門で問われるのは、"5つの管理"(能力や視点)の有無です。5つの管理とは、文部科学省が2001年に取りまとめた、「組織における技術業務全般を見渡し、安全性や経済性などに関する総合的な判断に基づいた監理を行うことが可能な技術者」に必要とされる管理能力で、下記のとおりです。

  1. 経済性管理
  2. 人的資源管理
  3. 情報管理
  4. 安全管理
  5. 社会環境管理

 総監部門の申込書では、”監理技術者として5つの管理の視点で業務を遂行したこと”を業務経歴としてアピールしなければなりません。専門技術力を問う一般部門とは、求められる能力が違うのです。

 そんなことは既に知っているよ、という読者は本ページをこれ以上読み進める必要はありませんので、読み飛ばして、次のページに飛んでください。

5つの管理技術って何?

5つの管理技術って何?と思われた方は、もう少しお付き合いください。5つの管理技術と言っても、決して難しい概念を言っているわけではありません。普段の業務で意識的あるいは無意識的に行なっている業務上のポイントを言葉でまとめただけです。

 例えば、経済性管理とは、工程管理、品質管理、原価管理などの業務上の経済性を確保するために実施している管理作業のことです。もっと具体的な技術で言えば、工程管理にはCPMなどの手法がありますね。

 いくつかの具体例を下表に列挙します。多少は耳慣れない単語はあるかもしれませんが、基本的には普段の業務で当然のごとく実施している管理項目ばかりです。

(1)経済性管理
     事業企画,品質の管理,工程管理,現場の管理と改善,原価管理,
     財務会計,設備管理,計画・管理の数理的手法
(2)人的資源管理
     人の行動と組織,労働関係法と労務管理,人材活用計画,
     人材開発
(3)情報管理
     情報分析,コミュニケーションと合意形成,
     知的財産権と情報の保護と活用,情報通信技術動向,
     情報セキュリティ
(4)安全管理
     安全の概念,リスクマネジメント,労働安全衛生管理,
     事故・災害の未然防止対応活動・技術,危機管理,
     システム安全工学手法
(5)社会環境管理
     地球的規模の環境問題,地域環境問題,環境保全の基本原則,
     組織の社会的責任と環境管理活動

上記のまとめは、文部科学省(技術士協会)が発行しているキーワード集に記載されています。時間があるときに、参照してみてください。

https://www.mext.go.jp/content/20201125-mxt_kiban01-000011214_9.pdf

 

次のページでは、いよいよ具体的に業務経歴と業務の詳細の記載方法について述べます。