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資格解説:電気施工管理技士 〜施工管理なら持っていて当然〜

どのような資格?

 ・電気施工管理技士

  電気工事に関する「施工の管理」の能力を有することを国家に認定してもらった技術者(技士)のことです。基本的には、年に1回の国家試験(施工管理技術検定)に合格することで施工管理技士になることができます。

 1級と2級の区別があり、1級が上位資格です。令和3年から技士補という制度も始まりましたが、あまりメリットもなさそうですし、詳細は割愛します。というか技士補制度は筆者がよくわかっていません笑

 施工管理技士には電気工事以外にも、建築施工管理技士、電気工事施工管理技士、土木施工管理技士、管工事施工管理技士、電気通信工事施工管理技士、造園施工管理技士、建設機械施工管理技士の7種類があります。本ページでは筆者の専門である電気工事施工管理技術士(検定試験)に関して解説します。

 

 施工管理技士の資格で得られる3大メリット!

1.専任技術者になれる
 建設業の許可を得るためには、各営業所ごとに「専任技術者」を置く必要があります。会社ごとではなく営業所ごとですよ!技術者がいなければ、例えば工事積算もできず、実質的に営業活動ができないからです。

 専任技術者の存在しない会社は、建設会社として公的に認められません。営業所から専任技術者がいなくなれば、建設業の許可を取り消され、業務を行うことができなくなりますので、専任技術者の存在は建設会社の生命線といえます。

 「特定建設業」の場合は1級施工管理技士が、「一般建設業」の場合は1級または2級施工管理技士が、それぞれ「専任技術者」として認められます。

 ただし、誤解してほしくないのですが、施工管理技士でなくても営業所の専任技術者になることができます。他の国家資格(例えば技術士や電気主任技術者)でもよいですし、一般建設業であれば、十分な年数の実務経験のみでも営業所の専任技術者になれます。この制度は非常に複雑なので、ググってみてください。

 

2.監理技術者や主任技術者になれる
 軽微な工事は例外として、工事現場には必ず「主任技術者」や「監理技術者」を配置しなければなりません。小規模工事が「主任技術者」、大規模工事が「監理技術者」です。

 1級施工管理技士は「監理技術者」および「主任技術者」として、2級施工管理技士は「主任技術者」になる資格があります。

 ただし、監理技術者や主任技術者は、他の国家資格や実務経験を利用することでも就任することができます。この制度も非常に複雑なので興味があればググッってください。

 

3.公共工事の受注に有利になる
 公共工事の受注のために、経営事項審査という制度があります。この経営事項審査の技術力評価において、施工管理技士の資格保有者は、1人あたり5点が企業の得点として加算されますので、公共工事の受注において有利です。

電気工事施工管理技術検定の特徴としては、
  •  受験資格として数年(経歴により変わります)の実務経験が必要
  •  管理(マネジメント)能力を求められる現場監督(マネージャー)のための試験であり、実際に自分で手を動かして工事をする職人としての能力(職人としての能力を問うのは電気工事士です)が問われるわけではない
  • 管理能力とは、「他人に指示をだして、うまく現場を回せるか」という能力であり、具体的には、品質管理、工程管理、安全管理などを指します。
  • 品質管理、工程管理、安全管理などを実施するために必要な、電気の知識や現場工事の知識が問われます。

 建設業従事者以外の方は、施工管理(現場監督)といってもどのような業務か分からないでしょう。ただし、この資格は建設業の方しか受験できませんので、本ページをご覧になっている方は建設業従事者の方と推察します。したがって、施工管理業務そのもののはわかっているでしょうから、その詳細説明は省きます。

 

施工監理技術検定の詳細は以下の試験主催団体のHPを参照してください。

建築・電気工事施工管理技術検定 | 一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部

取得までの最短勉強時間は?

 この試験の難易度は低いです。出題パターンが決まっているので、過去問を3年分解けばそれで合格点に到達します。インプットの勉強をせずに、いきなり過去問に着手してOKです。この試験の受験資格がある時点で、数年以上の業務はこなしているはずであり、特段の勉強をしなくても普段の業務を通じて、相応の知識は身についているはずですから。

 結論として、勉強時間は10時間もあれば十分でしょう。

選択問題の勉強法

 前述のとおり、いきなり過去問を解き始めてOKです。分からない問題も、解答を見たり、ググればすぐに解決できるでしょう。

記述問題の勉強法

 過去問を見ればわかると思いますが、問われる知識はあなたが簡単に回答できて当然のことばかりです。例えば、「あなたが実施した工事で、墜落災害または感電災害が発生する危険性があるとあなたが予測した 事項と対策をあげよ」といった具合です。真面目に業務に取り組んでいれば、経験している事項ですよね。

 

結局のところ、電気工事施工管理技士はとるべき?難易度が低いからこそ取得すべき!

 電気工事施工管理技士の資格を習得していないとできない業務、というのは残念ながらありません。他の国家資格でも代用できますし、一般建設業に努める方であれば、状況によっては実務経験のみで十分であり、この資格は不要という場合もあるでしょう。

 ただし、施工管理の世界では、これぐらい取得していて当然だよね、という資格ですので、業務の遂行能力をアピールするために、ぜひとも取得していおきたい資格です。特定建設業で働いている中堅以上の技術者で、この資格を持っていなければ、その能力や経験値を疑われかねません。決して取得難易度が高くない資格ですから。

 矛盾しているのですが、難易度が低い資格だからこそ、取得する価値がある、と言えます。

勉強時間のコスパがよい資格!

 施工管理技士は、他の国家資格と比較して勉強時間が圧倒的に少ないわりにその効力は大きいです。他の国家資格(例えば技術士)や実務経験(場合によっては10年以上!)を用いて、専任技術者や監理技術者、主任技術者になるためには、はるかに多くの時間と労力を要します。手っ取り早く前述の技術者になるためには、上記がベストでしょう。筆者は数多くの建設関連の資格を持っていますが、建設関連でもっともコスパ(効力/勉強時間)がよいのは本資格だと思います。

 ぜひ、チャレンジしてみてください。